寒立馬とは
下北半島の最東端にある。
岬の先端には日本最大級の明るさを誇る白亜の尻屋崎灯台があります。
ここには、かつての南部藩の牧場もあり、極寒にも耐えられる寒立馬は今でも健在。
普段は、ゲートで仕切られた尻屋崎の敷地内に放牧されていて、その様子は自由に見学できる。
春に敷地内のあちこちを移動し、母馬のそばを飛び跳ねる愛くるしい仔馬の姿が見られるが、
冬期間はアタカと呼ばれる場所で、冬を越す。
その姿はいつ見ても心が揺さぶられる。
平成14年11月18日青森県天然記念物指定。
[寒立馬の生い立ち]
東通村の海岸地帯には、南部藩政時代から田名部馬と呼ばれる比較的小柄で寒気と粗食に耐え、
持久力に富んだ馬が「四季置付」と称し周年放牧されていました。 これらは、南部馬を祖とし、藩政
時代から明治、大正、昭和に亘って主として軍用馬として外来種との 交配によって改良されてきた
田名部馬であり、なかでも、尻屋地区ではこの田名部馬をブルトン種と 交配することにより独自の
農用馬(肉用馬)として改良してきました。
[寒立馬名称の由来]
かつてこの地方の「かもしか」を動物作家戸川幸男氏は「寒立(かんだち)」と名付けたといいます。
昭和45年尻屋小学校長岩佐勉氏が、当時「野放馬」と称されていた馬を次のように短歌に詠みました。
「東雲に 勇みいななく 寒立馬 筑紫ヶ原の 嵐ものかは」
さらに、昭和43年尻屋崎が下北半島国定公園に指定され、訪れた観光客が「白亜の灯台と寒立馬」が
織り成す牧歌的叙情風景に魅せられ、誰ともなく「寒立馬」として愛称され今日に至っています。
ちなみにマダギ(狩人)たちは、カモシカが厳寒のなか動かず何日もじっとたたずむ姿を「かんたち」と呼んでいました。
それを「寒立(かんたち)」と言い、この馬にもその状態を見ることがあります。
上部タブにある「尻屋で暮らす彼女達」をお出かけ前に印刷していくと楽しいかも。パンフレット風にしています。
Photo:ユージロー
[アクセス]
交通機関利用
・尻屋崎(夏期) むつバスターミナルより下北交通バス尻屋線に乗車、
尻屋崎下車 尻屋バス停経由尻屋崎行き1日3往復(所要時間約1時間)
※バス運行期間5月1日~10月31日 尻屋崎口(ビジターセンター)利用の場合は1日6往復あります。
通年運行ですが尻屋崎までは徒歩になります。
・アタカ(寒立馬が1月~3月の間放牧されている地区) 尻屋バス停より徒歩20分 所々に案内板あり。
途中に結構きつい坂があるので凍結時はご注意下さい。
車など ・尻屋崎(夏期)
八戸方面からでしたらひたすら国道338号線~県道248号線~県道6号線~尻屋崎入口ゲート
所要時間 約2時間
青森方面からは国道279号線~むつバイパス~県道6号線~尻屋崎入口ゲート
所要時間 約3時間30分
・アタカ(寒立馬が1月~3月の間放牧されている地区) 尻屋崎ゲート前を通過し尻屋地区内へ。
あとは案内板に従い10分程度でしょうか。 途中から道が狭くなります。
この辺りから下りの急坂にかけて路面凍結がひどいときがあるので要注意です。
帰りは登りになるので上がれなくなる可能性もあり。
[開放時間]
4月1日~4月30日 8:00~16:00 5月1日~11月30日 7:00~17:00 ※入車は16:45まで
※冬期間(12月1日~3月31日)尻屋崎は閉鎖しています。
※寒立馬は、1~3月の間アタカという地区で放牧されています。
・4月上旬と12月中旬頃まではビジターセンター付近に放牧されています。ご注意下さい。
[撮影ポイント?]
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